エマルジョン

エマルジョンは、水と油(ワックス)などの混ざり合わない液体を乳化剤の配合によって作られます。エマルジョンは、油滴が水相に分散したO/W型と水滴が油相に分散したW/O型に大別されます。W/O型の代表例はマヨネーズやコールドクリームですが、当社エマルジョンは油滴が水相に分散したO/W型になります。ワックスエマルジョンは、常温で流動性を持つため、常温で各種基材へ塗布する事が出来ます。
環境規制の強化により、様々な分野で溶剤から水系に切り替わっており、エマルジョンの活用は大きな可能性を秘めています。当社では、幅広いニーズに対応すべく、様々なタイプのワックスエマルジョンを開発しています。なお、ワックスの機能を保つ目的で、乳化剤の添加率は最小限にしています。
エマルジョン

利用分野

~乳化剤と用途の関係~

乳化剤は、水に馴染む親水基とワックスに馴染む親油基を併せ持ちます。ワックスの種類や用途に応じて、適切な乳化剤を選定する事が重要です。例えば、当社で使用しているアニオン型乳化剤では、水分と共に蒸発するアルカリ成分を使用する事によって、乾燥被膜の撥水性に優れます。他方、ノニオン型乳化剤を用いた場合は、その他の各種エマルジョンとの混合安定性に優れます。また、乾燥被膜は、バリア性、基材濡れ性に優れます。このように適切な乳化剤を選定する事によって、離型剤、ポリッシュ、セラミックバインダー、粉末冶金、潤滑剤、防錆剤、撥水剤(食品包装用含む)、塗料添加剤などの用途があります。

乳化機について

一般的なワックスエマルジョンの製法としては、乳化槽に熱水を張り込み、撹拌しながらワックス溶解槽より溶融ワックスを投入し、予備的な乳化を行います。乳化剤は適切なタイミングで投入します。その後高圧ホモジナイザーにてエマルジョンの粒子径を整えて、プレート式チラーによって冷却、取り出しを行います。高圧ホモジナイザーは、非常に剪断力が強く、微粒子のエマルジョンを調整する事が可能です。少量の乳化剤でもエマルジョンの調整が可能であり、例えば、撥水性、防水性、加熱安定性等に悪影響を及ぼすことなく、ベースワックスの機能を損ないません。

当社製品のご紹介

※こちらでご紹介している製品は、数ある当社の製品シリーズの一部となります。
詳しくはお問い合わせください。

▼代表性状
品名 有効成分 タイプ 不揮発分 粘度 pH メジアン径
ベース 融点
(℃)
質量% mPa・s
(20℃)
25℃ μm
EMUSTAR - 042X マイクロクリスタリン
ワックス
84 ノニオン 40 12 7 < 0.5
EMUSTAR - 1155 パラフィンワックス 69 ノニオン 40 11 9 < 0.5
EMUSTAR - 0135 60 アニオン 40 12 9 < 0.5
EMUSTAR - 0136 ノニオン 40 14 7 < 0.5
EMUSTAR - 6315 合成ワックス 113 ノニオン 40 20 5 < 0.5
EMUSTAR-1309 改質合成ワックス 112 ノニオン 40 1200 7 4.0
EMUSTAR - 0413 カルナバワックス 84 ノニオン/
アニオン
35 70 9 < 0.5


上記以外にも、水溶性溶媒 ( IPA等 ) 耐ショック性を付与したアニオンエマルジョンも試作可能です。

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