ワックスとは What is Wax?

ワックスとは?

ワックス(WAX)の歴史は古く紀元前まで遡り、その語源はアングロサクソン語の”WEAX”=”蜜蝋”のことを指しています。
ロウソクが誕生した古代エジプト時代から近代まで、ロウソクの原料には蜜蝋が使用されていました。
現在ワックス、すなわち蝋は、一般に「常温で固体、加熱すると液体となる有機物」と定義され、非常に広い意味で用いられています。

図:ワックスの分類
ワックスは、植物や鉱物、石油から抽出される天然ワックスと有機合成から製造する合成ワックスとに分類されます。
1809年ドイツ人Fuchsにより石油中より初めて抽出されて以来、ロウソクをはじめとして、ワックスといえば石油ワックスが主に使用されてきました。

石油ワックスとは

石油ワックスの主成分は飽和炭化水素で、直鎖状(ノルマル)、分枝鎖状(イソ)、環状(シクロ)の3種に大別できます。
これらの結晶は、ノルマル、イソ、シクロの順に小さくなるため、この含有比率が石油ワックスの性質(結晶性)を決定づける主たる要因です。

ノルマルパラフィン
イソパラフィン
シクロパラフィン

パラフィンワックス

炭素数分布は約20~40、分子量は約300~550、約90%がノルマルパラフィンからなるワックスです。

マイクロクリスタリンワックス

炭素数は約30~60、分子量は約500~800で、一般にパラフィンワックスより融点が高くなります。
また組成的には結晶の小さいイソパラフィンやシクロパラフィンが多いため微結晶となり、これがマイクロクリスタリンワックスと呼ばれている所以です。

パラフィンワックス
マイクロクリスタリンワックス

ペトロラタム

減圧蒸留ボトムから分離された油分が多く粘ちょう性のある半固型状のワックスです。

ワックスは環境や人にやさしく、安全で無害

昨今では持続可能な社会の実現、脱石油の観点から植物ワックスやフィッシャートロプシュワックスがより注目されています。
日本精蝋では創業より主に石油ワックスを取扱いをしてまいりましたが、ワックスのスペシャリストとして石油ワックスのノウハウを活かし、植物ワックスやフィッシャートロプシュワックス製品の開発・製造も行っています。

優れた特性を活かし、身近な生活用品に幅広く使用されています!

ワックスは極めてシンプルな素材ですが、様々な特性を持ち、その用途は多岐にわたります。

(ワックスの特性)
容易に溶解する
適度な硬さ
溶解粘度が低い
着火が容易
離型性がある
防湿・防水(耐湿・耐水)性がある
保香性がある
融解熱が大きい
生分解性がある
安全性が高い
膨張・収縮が大きい
中性子の減速能が大きい
電気絶縁性が大きい
潤滑性が大きい
ブルーミング性がある
展着・結着性がある
※ワックスの種類により特性は異なります。